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うつ病を早く治すコツ4つ【精神科医が徹底解説】

うつ病で無理しない中での「早く治すコツ4つ」を精神科医が徹底解説。 #精神科 #早く治す #うつ病 0:05 （１）はじめに 0:22 （２）うつ病は治療には時間がかかる 2:37 （３）うつ病を早く治すコツ4つ 2:45 ①早期治療 4:14 ②しっかり休む 5:32 ③環境を整える 6:53 ④癖を見直す 8:34 （４）まとめ うつ病は治療に時間がかかり、焦ると逆に不調になり逆効果になります。一方であまりに療養期間が長くなると影響が強まるため、無理ない範囲で早く治る方法を見つけたいところです。 「うつ病を早く治すコツ4つ」について、精神科医が9分で回答しています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com 府中カウンセリングルーム（提携カウンセリングルーム）https://fuchu-counseling.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 はじめに うつ病の治療では、焦る気持ちが逆効果になることがあります。必要なのは、地道な取り組みの積み重ねです。うつ病は治療に時間がかかる病気として知られていますが、焦って無理をすると、かえって回復が遅れてしまいます。長引く治療期間は精神的にも経済的にも負担が大きいため、無理をしない範囲で早く治すためのコツを知っておくことが大切です。今回は、うつ病を効果的に治すための4つのポイントをご紹介します。 うつ病は治療には時間がかかる うつ病は、落ち込みなどのうつ症状が続く脳の不調です。主に脳内物質セロトニンの不足が背景にあるとされ、脳の機能そのものに関わる疾患であるため、改善には相応の時間が必要となります。 うつ病の治療は、主に3つの柱から成り立っています。 1. *休養* - ストレス源から離れ、心身をしっかり休ませることが基本となります。多くの場合、休職をして治療に専念します。 2. *薬物療法* - 主にSSRIと呼ばれる抗うつ薬を継続的に服用します。必要に応じて睡眠薬などの補助薬も併用します。 3. *精神療法* - ストレスへの対処法を見直し、時には考え方の癖も修正していきます。 治療の経過は、大きく3つの時期に分けられます。 *急性期* - うつ症状や不安が最も重い時期で、休養を最優先します。 *回復期* - 症状が徐々に改善し始める時期で、再発を防ぎながら少しずつ活動を増やしていきます。 *再発予防期* - 復職や社会復帰を果たしながら、再発防止に努める時期です。 うつ病が脳の不調である以上、ストレスから離れてもすぐに改善するものではありません。特に意欲や思考力など、脳の機能に直接関わる症状は回復に時間がかかりやすく、本来の調子を取り戻すまでにはさらに長い期間を要することも少なくありません。 改善を焦るあまり、無理に活動を再開したり復職を強行したりすると、かえって症状が悪化し、慢性化につながる恐れがあります。一方で、治療期間が年単位に及ぶと、経済面や生活面への影響が大きくなり、社会的立場や人間関係にも変化が生じてしまいます。このジレンマの中で、焦らずに、しかし着実に回復への道筋をつけていくことが求められます。 うつ病を早く治すコツ4つ では、無理をせずに効果的にうつ病を治すには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。一見地道な取り組みの積み重ねこそが、実は回復への近道となります。 ①早期治療 うつ病を早く治すための第一歩は、早期診断と早期治療です。症状に気づいてから治療を開始するまでの「未治療期間」の長さは、治療効果や慢性化リスク、再発リスクに大きく影響することが分かっています。 早期治療のためには、初期症状を見逃さないことが重要です。うつ病の初期症状は以下のようなものがあります： *朝起きられない* - うつ病の不調は特に朝に強く現れる傾向があります。 *眠れない* - 不眠は初期症状であると同時に、症状悪化の原因にもなります。 *過敏になる* - ストレスへの耐性が低下し、些細なことでも冷静に対処できなくなります。 これらの症状が見られた場合、まずは生活習慣の改善や環境調整を試みます。うつ病でなければ、こうした対策で自然に改善することが多いのですが、うつ病の場合は対策を講じても症状が持続します。セルフケアを行っても症状が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。 ②しっかり休む うつ病治療の土台となるのは「休養」です。特に脳をしっかり休ませることが重要になります。症状の時期によって休み方は変わりますが、いずれの時期においても、焦りや考えすぎは休養の大敵となります。 急性期では、休養が最優先の治療となります。仕事を休職するなど、休養に専念できる環境を整えることが大切です。休養中は眠気や倦怠感が強くなることがありますが、これは正常な反応です。焦らずに休養を続けることで、自然に改善していきます。 回復期以降は、リハビリテーションも重要になってきますが、その基盤にはやはり休養があります。限られた時間の中で効率的に休養を取る方法を見つけ、実践していくことが求められます。 ③環境を整える 自分に合った環境を見つけ、日々のストレスを軽減することも重要です。ストレスの多い環境に身を置き続けると、治療効果が上がりにくくなります。 環境調整の対象として、以下のような領域があります： *仕事環境* - 明らかに合わない仕事であれば転職も視野に入れ、そこまでいかなくても業務内容や労働時間の調整を検討します。 *家庭環境* - 家族との関係性や生活の仕方を見直し、快適に過ごせる環境を作っていきます。 *人間関係* - 交流がもたらす効果と悪影響を見極め、プラスの影響が大きい関係を選んでいきます。 環境選びの際は、自分の特性をよく理解しておくことが大切です。長所と短所、やりたいこととやりたくないこと、そして自分が大切にしている価値観（自分軸）を明確にし、それらと環境との相性を考慮することで、より適切な環境選択ができるようになります。 ④癖を見直す 日々の生活の中でストレスや疲労を増やす癖があると、うつ病の回復が遅れます。自分の癖を見つけて改善していくことで、回復を促進できます。 見直すべき癖には、以下のようなものがあります： *生活習慣の癖* - 過度の飲酒やインターネット依存など、心身に悪影響を与える習慣を、軽い運動などの健康的な習慣に置き換えていきます。 *考え方の癖* - 完璧主義や「～すべき」という思考（べき思考）など、自分で自分にプレッシャーをかける思考パターンを見つけ、「別の見方はないか」と問いかける習慣をつけることで、徐々に思考の柔軟性を高めていきます。 *対人関係の癖* - 無理をして我慢する癖があると、人間関係でストレスが蓄積します。理不尽な要求に対しては適切に自己主張する「アサーション」のスキルを身につけることが大切です。どうしても主張が難しい関係の場合は、距離を置くことも選択肢として考えます。 まとめ うつ病は治療に時間がかかる病気ですが、焦ると逆効果になりやすいという特徴があります。無理をせずに効果的に治療を進めるためのコツは、「早期治療」「しっかり休む」「環境を整える」「癖を見直す」の4つです。 一気に無理をすると反動が来て逆効果になることが多いため、地道な取り組みを日々続けていくことが、結局は回復への近道となります。うつ病の治療は長期戦になることも多いですが、これらのポイントを意識しながら、一歩一歩着実に進んでいくことが大切です。 治療中は不安や焦りを感じることもあるでしょうが、適切な治療と生活の工夫により、多くの人が回復していきます。自分のペースを大切にしながら、専門家のサポートを受けて、着実に回復への道を歩んでいきましょう。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #うつ病治療 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。